ハイドロリリースとは(自費診療)
浜松市の脳神経外科・脊椎脊髄外科を専門とするやまもと あたま・こし・痛みのクリニックでは、頭痛・腰痛・手足のしびれなど、脳・脊椎・末梢神経が関わる長引く痛みに対して、超音波(エコー)で体の中を確認しながら、動きが悪くなった「膜(ファシア)」やその周囲に薬液を注入してはがしていく「ハイドロリリース(fascia hydrorelease)」という治療を行っています。
痛みのある場所だけでなく、その周辺の筋肉・神経・血管のすべりを整えることで、痛み・しびれ・動かしにくさの軽減を目指します。当院では、画像検査と診察の内容をあわせて確認し、その日に本当に治療したほうがよい部位かどうかを見極めたうえで行います。
fascia(ファシア)とは何か
fasciaは日本語で「筋膜」と訳されることが多いのですが、それだけでは足りません。fasciaは筋肉の膜だけでなく、皮下組織・腱膜・靭帯・血管や神経の周りの結合組織・内臓の膜まで含む、体の中を途切れなくつないでいる「膜と結合組織の連続体」です。
鶏肉をさばくときに見える、あの白い薄い膜を思い浮かべてください。一枚一枚は薄くても、それらが全身でつながってひとつの大きなネットワークをなしています。
fasciaには次の4つの働きがあります(図1)。
- 支える — 内臓・筋肉・血管をあるべき位置にとどめる
- 滑る — 層と層のあいだが潤滑し、筋肉がスムーズに動く
- 感じる — fascia自身が痛みを感じるセンサーとして働く
- つなぐ — 自律神経が走る「道」であり、その状態を左右する
「異常なfascia」で何が起きているのか
使いすぎ・使わなさすぎ・外傷・手術後の瘢痕・慢性の炎症・血流の低下・悪い姿勢・ストレスなどによって、fasciaには癒着・浮腫(水がたまる)・肥厚(厚くなる)が生じます。エコーで見ると「白い帯」として映ります。
こうなると、痛み・こわばり・動かせる範囲の低下・離れた場所への痛みの広がりだけでなく、冷え・ほてり・めまいといった自律神経に関わる症状まで生じることがあります。
「昔から肩がこりやすい」「検査では異常がないのに痛い」と感じている症状の中にも、fasciaの異常が関わっていることがあります。
ハイドロリリースは、このように癒着・肥厚した fasciaに薬液を注入し、水分の量と水圧でやさしくはがすことで、層のすべりを取り戻すことを目指す治療です(図2)。
なぜエコーで見ながら行うのか
fasciaの異常は、レントゲンやMRIでは映りにくい一方で、エコーでは「白い帯」としてはっきり確認できます。また、目標とする層は数ミリ単位であり、周囲には神経や血管が走っています。
エコーで見ながら行うことで、狙った層に正確に薬液を届け、同時に神経や血管を避けることができます。当院ではすべての治療をエコーガイド下で実施しています(図3)。
こんな症状の方が対象です
以下のような症状で、検査では大きな異常が見つからない、あるいは治療を受けてもすっきりしない場合に、fasciaの異常が関わっていることがあります(図4)。
頭痛・顔の痛み・くいしばり
- 後頭部から頭のてっぺんに広がる頭痛
- 目を動かすとふらつく
- 歯を強くかみしめてしまう(くいしばり)、口が開きにくい
- 歯が痛いのに歯科では異常なしと言われた
- あごが痛い、あごが鳴る
- 顔の片側が電気が走るように痛む
- こめかみが痛い、顔の痛みが続く、舌が痛い、耳鳴りがする
首・肩の症状
- どうしても取れない肩こり、首の痛み
- 寝違えたような、ピキッとした首の痛み
- 腕がだるい・重い・しびれる(胸郭出口症候群)
- 小指側の手のしびれ、肩甲骨の内側の痛み
- 首のこりに伴うめまい・耳鳴り
- のどの違和感、飲み込みにくさ、においを感じにくい
- 帯状疱疹のあとに続く痛み
- 肩が上がらない、後ろに手が回らない(四十肩・五十肩)
- 首が回らない、曲げると痛い
腰・おしり・脚の症状
- 腰痛(動かすと痛い、長く座っているとつらい)
- 体をひねると痛い、背骨のすぐ横を押すと痛い
- 横腹の奥のほうが痛い
- おしりの外側が痛い、太ももの外側や脚の後ろに痛みが広がる
- 坐骨神経痛のような脚の痛み
- 仙骨(おしりの中央の骨)が痛い、足の裏側〜すねにしびれ
- 胸・お腹・腰の手術のあとの痛みが長引いている
ひじ・手・ひざ・足の症状
- ひじの外側が痛い(テニス肘)、ひじの内側が痛い(ゴルフ肘)
- 手がしびれる(手根管症候群)、指が引っかかる(ばね指)
- 親指のつけ根が痛い、ばね指で手首の治療だけでは残る
- 指先が白くなって冷たい
- 親指の付け根・手首の親指側が痛い
- ひざの内側が痛い、ひざのうらが痛い、ふくらはぎが冷える
- すねの外側・足の甲が痛い・しびれる、足の甲がむくむ
- 足首をよく捻挫する、片足立ちがぐらつく
- 足の裏の前のほうがしびれる
上記に当てはまらない症状でも、ご相談いただける場合があります。まずは診察でお話をうかがい、保険診療で対応できるのか、自費診療が向いているのかを含めて丁寧に判断します。
当院のハイドロリリースの特徴
脳・脊椎・末梢神経を「一つのつながったシステム」として診る
痛みや不定愁訴は、末梢の fasciaの異常・脊髄での調節・脳の変化という複数の階層が互いに影響し合って生じます。
当院は「一つの症状=一つの原因」という枠を超え、脳神経外科・脊椎脊髄外科・慢性疼痛(ペインクリニック)を横断する視点から症状を読み解きます。
必要に応じて、注射だけでなく、内服・神経ブロック・リハビリ・手術適応の判断まで含めて、無理のない治療方針を一貫してご提案できることが当院の特徴です。
院内にMRI・CT・DEXA・全脊椎レントゲンを完備
fasciaの異常を治療する前に、まず「隠れている病気」を確認することが不可欠です。
当院は院内にMRI・CT・骨密度測定(DEXA)・全脊椎レントゲンを備えており、その日のうちに必要な画像検査を行って判断できます。
たとえば、ひざの内側の痛みでは、レントゲンだけでは分からない骨の変化が隠れていることがあります。当院では必要に応じてMRIなどを追加し、ほかの病気が紛れていないかを確認します。
局所麻酔薬は基本的に使わない・ごく微量にとどめる
ハイドロリリースは、薬液の「量と水圧」でかたくなった膜(ファシア)をゆるめることが治療の中心となるため、基本的には局所麻酔薬を使用しない、またはごく微量の使用にとどめます。症状や部位によっては局所麻酔薬を追加する場合がありますが、その際はメリットとリスクをご説明し、ご同意をいただいたうえで行います。
局所麻酔薬を使わない・ごく微量にとどめることで、以下のような利点が期待されることがあります。
- 局所麻酔薬による副作用(アレルギー反応や気分不良など)のリスクを低減できる可能性があること
- 麻酔の効きが切れるまでの時間や、処置後の安静時間が短くて済む場合があること
- 治療後、その日の生活やお仕事に戻りやすい場合があること
ただし、効果や感じ方には個人差があり、すべての方に同じような利点があるわけではありません。局所麻酔薬を使うかどうかは、症状・部位・ご体調を踏まえて、診察のうえで一緒に決めていきます。
部位に合わせて薬液を使い分け
当院では、筋肉と筋肉のあいだ(筋間)などへの注入では、体の環境に比較的近く注入時の刺激をできるだけ少なくする重炭酸リンゲル液(BRS)を、硬膜外への注入や血管の多い場所では生理食塩水を、基本的に使い分けています。
痛みが強い場合には局所麻酔薬を、ごく一部で炎症や新生血管が関わると考えられる場合にはステロイドを併用することがあります。部位や症状、治療の目的に応じて、使用する薬液は医師が判断します。
なお、重炭酸リンゲル液および局所麻酔薬の局所注入は、国が承認した用法・用量ではありません(適応外使用)。これらの薬剤自体は医薬品として承認されていますが、本治療における使用方法は承認の範囲外です。この点をご説明し、ご同意をいただいたうえで実施します。
1回の治療は4か所までとしています
一度に多くの場所を治療すると、どこが原因だったのか分からなくなります。
当院では1回の治療を最大4か所までとし、効果を確認しながら次の治療部位を決めていきます。そのため、2回目・3回目のご来院で治療する場所が変わることがあります。
これは単に回数を区切るためではなく、どの部位が症状に関わっているのかを丁寧に見極めるための方針です。
リハビリ・セルフケアとの併用
当院はリハビリテーション施設を併設していないため、必要に応じてリハビリを行っている他の医療機関をご案内することがあります。すでにリハビリで他の病院や接骨院などに通院されている方は、そちらの治療とハイドロリリースを並行して受けることで、効果が高まることがあります。
また、簡単なセルフケア(ストレッチや姿勢の工夫など)の指導は、当院で行うことがあります。
保存的治療から手術適応の判断まで
当院ではハイドロリリースのほか、各種神経ブロック、漢方治療、内服治療、リハビリテーションなども含めてご提案します。保険診療で対応できる場合は、まずそちらを優先してご案内します。
治療の流れ
ご来院から治療までの流れは、以下の5つのステップです(図5)。
1. 診察・検査(保険診療)
問診と身体所見の確認を行い、必要に応じてエコー・レントゲン・MRI・CTなどの検査を実施します。まず腫瘍・感染・神経そのものの障害・内臓の病気などが隠れていないかを確認します。
2. 治療方針のご説明
健康保険で受けられる治療と、自費診療となるハイドロリリースの両方について、内容・費用・リスクをご説明します。ご不安な点があれば、その場でご相談いただきながら一緒に方針を決めていきます。
3. 診察後に行うハイドロリリース
エコーで治療部位を確認しながら、薬液を注入します。その前に、診察室またはベッドサイドで動作分析や圧痛部位の触診を行い、その日の治療部位を決めます。原則として寝た姿勢で行いますが、肩甲挙筋・棘上筋・肋横突靭帯は座位でも可能です。所要時間は部位数や体位により約10〜30分です。
4. 効果の確認と次回の計画
治療前後の痛みの程度や動かせる範囲を確認します。残った症状に応じて、次回の治療部位を決めます。
料金のしくみ
本治療は健康保険の適用外で、費用は全額自己負担となります。料金は、①治療する場所の「深さ」、②治療の姿勢(体位)を変える回数、③毎回の診察・手技選定料、④一部の特別な治療の固定料金、の組み合わせで決まります。以下、すべて税込です。
① 治療する場所の「深さ」で3段階
体の深いところを治療するほど、近くを通る神経・血管が増え、より高度な技術と安全管理が必要になります。そのため、深さに応じて料金を3段階に分けています。
| 区分 | 治療する場所 | 1か所目 | 追加 1か所ごと |
|---|---|---|---|
| 浅い層 | 皮下〜筋間の浅い層で、主要な神経・血管から離れている部位 | 5,000円 | +3,000円 |
| 標準 | 深部の筋間・支帯・関節包周囲、神経のすぐ近くの部位 | 8,000円 | +4,000円 |
| 深い層 | 神経・血管に極めて近い、または肺・腎など臓器が近い部位 | 13,000円 | +6,000円 |
例:標準の場所を同じ姿勢で2か所治療した場合 1か所目 8,000円 + 2か所目 4,000円 = 12,000円(診察・手技選定料は別途)
② 治療の姿勢(体位)を変える場合の加算
うつ伏せ・あお向け・横向きなど、治療の途中で姿勢を変える場合は、1回につき +4,000円の加算があります(1回の治療で変更できるのは最大2回まで=3つの姿勢までです)。同じ姿勢のまま複数か所を治療できる場合は、この加算はかかりません。施行前に医師から加算の有無をご説明し、同じ姿勢で完結する方法にするか、追加費用を払って同日に複数の姿勢で治療するかをお選びいただけます。
③ 毎回かかる診察・手技選定料
ご来院ごとに、診察室またはベッドサイドで動作の確認や押して痛む場所のチェックを行い、当日の治療部位を決定します。この診察・手技選定料として、毎回3,000円をいただいております。
④ 特別な料金を設定している治療(特殊メニュー)
一部の治療は、手技の難易度や安全管理の観点から、上記の基本料金とは別に、あらかじめ料金を固定して設定しています。どのような症状・部位が対象となるか、また料金の詳細については、診察のうえで個別にご説明します。
料金についてのご案内
治療中に部位や姿勢が変わる場合は、その時点で医師が金額をお伝えし、ご同意を確認したうえで進めます。ご予約の時点では治療部位がまだ確定していないため、正確な金額は診察後、治療前に分かりやすくお伝えします。
使用する薬剤について
ハイドロリリースで使用する薬液は、基本的に生理食塩水または重炭酸リンゲル液(BRS)です。いずれも、薬の成分そのものの効果というよりも、「水分の量と圧力でかたくなった膜をゆるめる」ことを主な目的としています。
重炭酸リンゲル液(BRS)は自費診療でのみ使用します
- 健康保険による神経ブロックなどでは、生理食塩水を使用します。
- 重炭酸リンゲル液(BRS)は、自由診療(自費診療)の場合にのみ使用できる薬液です。
- BRSは、生理食塩水に比べて体液に近い中性のpH・浸透圧に調整されているため、注入時のしみるような痛みが少ないとされることがあります。ただし、効果や感じ方には個人差があります。
当院では、筋肉と筋肉のあいだ(筋間)などへの注入ではBRSを、硬膜外への注入や血管の多い場所では生理食塩水を、基本的に使い分けています。
痛みが強い場合や、炎症所見・血管新生が見られる場合
以下のような場合には、局所麻酔薬やステロイド薬を少量追加することがあります。使用する場合は、その都度メリットとリスクをご説明し、ご同意をいただいたうえで行います。
- 注入時の痛みが強いとき
- エコー検査で炎症所見(滑膜の増生など)や異常な血管の増生(ドプラ陽性)が確認されたとき
【重要】薬剤の使用と、この治療の位置づけについて
日本で使われる薬には、「どんな目的で・どんな方法で・どのくらいの量を使うか」という、国が認めた決まり(承認された用法・用量)があります。局所麻酔薬であれば「浸潤麻酔(しみこませる麻酔)」や「神経ブロック(神経の周りに注射して痛みを鎮める)」としての使い方が承認されています。
一方、ハイドロリリースは、「薬の成分で麻酔をかける」ことではなく、「エコーで確認しながら、ファシア(膜)のすき間に薬液を入れて、水分の量と圧力で癒着をやさしくはがす」という注射のやり方(手技)そのものが治療の中心になります。この「薬液の量と水圧でファシアを剥がす」という目的での使用は、生理食塩水・重炭酸リンゲル液(BRS)・局所麻酔薬のいずれについても、添付文書に記載された承認済みの用法・用量には含まれていません(適応外使用)。また、「ハイドロリリース(ファシアリリース)」という治療手技自体も、現時点では診療報酬上に収載された手技として定義されているものではありません。
適応外使用は「危険」「違法」という意味ではなく、既存の治療で改善しにくい痛みやしびれに対し、国内外の報告や医師の経験に基づき、メリットとリスクを十分に説明したうえで慎重に行われている治療の一つです。当院では、治療前に必ずこの点を書面と口頭でご説明し、ご納得いただいた場合にのみ実施いたします。
治療を受けられない場合・部位を制限する場合
| こんな方 | 当院の対応 |
|---|---|
| 血液を固まりにくくするお薬を飲んでいる(抗血小板薬・抗凝固薬など) | 抗血小板薬は部位や内容により対応できることがあります。抗凝固薬を内服中の方でも、一部の浅い層のリリースは可能な場合がありますが、それ以外の部位では一定期間の休薬が望ましいと考えています。いずれも診察時に医師が確認します |
| 治療中にじっとしていることが難しい | 神経や血管のすぐ近くの部位(首・神経の周囲・ひざのうらなど)は行いません |
| 感染を起こしやすい状態(免疫の力が弱い/がんの進行期/重いアトピー性皮膚炎/感染の治療中など) | ご相談のうえ、双方が納得した場合のみ行います |
| 局所麻酔薬でのアレルギーの既往がある | 使用薬剤を変更、または治療を行いません |
| 妊娠中・妊娠の可能性がある | 医師が個別に判断します |
起こりうる合併症・副作用
ハイドロリリースは超音波で確認しながら慎重に行う治療ですが、注射である以上、以下のような合併症・副作用が起こる可能性があります。治療前に医師から個別にご説明し、ご同意をいただいたうえで行います。
| 内容 | ご説明 |
|---|---|
| 出血・内出血(青あざ) | 比較的よく起こります。顔や首では見た目に影響することがあります。首の血管まわりの治療後は5分以上圧迫し、腫れや違和感がないか必ず確認します |
| 注射のあとの痛み | 感染や血腫がなければ、2〜3日で改善することが多いです |
| 筋肉痛のようなだるさ(遅発性筋痛) | 数時間〜1日後に出ることがあります。治療中に「痛くてつらい」と感じた時点でお伝えいただき、そこで中止すればほとんど起こりません |
| 注射した場所の感染 | ごくまれです |
| お薬による気分不良・アレルギー | 治療前に既往をお伺いします。めまい・皮膚の赤み・息苦しさが出たらすぐお知らせください |
| 気分が悪くなる・血圧が下がる | 原則として寝た姿勢で治療するため予防できます |
| 神経を傷つける | 「ビリッとした」感覚があればすぐお伝えください。治療を中止します |
| 硬膜の穿刺(首・腰の中心部の治療) | まれに血腫や、髄液がもれることによる頭痛が生じます |
| 肺・おなかへの誤った針の進入 | 該当部位では超音波で確認しながら慎重に行います |
首の自律神経の治療を受けられる方へ
この治療は、安全性の観点から1日に片側のみ行います。
- 片側のみ治療した直後は、左右の感覚差を自覚される場合があります。通常は反対側の治療により整います
- 反対側の治療は1週間以上の間隔をあけて行います
- 治療後は院内で15〜20分の観察を行います
- 帰宅後に「首の腫れ」「息苦しさ」「声のかすれ」が出た場合は、直ちに当院へご連絡ください
よくあるご質問
- 健康保険は使えますか
- ハイドロリリースは自費診療です。ただし、症状や所見によっては、健康保険で受けられる神経ブロックなどの治療が向いている場合があります。診察のうえで判断し、それぞれの選択肢を分かりやすくご説明します。
- なお、保険診療で対応可能な場合は、まず保険診療を優先してご提案します。むやみに自費診療をおすすめすることはありません。また、同じ日に保険診療と自費診療を併せて行うことはできません。自費診療をご希望の場合は、別の日にご案内します。
- 保険診療の「トリガーポイント注射」とは違うのですか
- 健康保険で行う「トリガーポイント注射」は、筋肉の一番痛い場所(圧痛点)に局所麻酔薬を少量注射し、痛みの悪循環を断つことを目的とした治療です。
- 一方、当院のハイドロリリースは、筋肉そのものではなく、筋肉と筋肉の間や神経の周りにある「ファシア(膜)」を主なターゲットとし、ある程度の量の薬液を使って、水圧で膜と膜のすべりを回復させることを目的としています。狙う場所・使う量・目的が異なるため、見た目は同じ「注射」でも、保険診療上は別の治療として扱われます。そのため当院では、保険診療を行う日と、ハイドロリリース(自費診療)を行う日を分けて管理しています。どちらが適しているかは、診察のうえで一緒に決めていきましょう。
- なぜ1回に4か所までなのですか
- 一度に多くの場所を治療すると、どこが原因だったのか分からなくなるためです。効果を確認しながら部位を絞っていくことで、必要な治療だけを続けられます。
- 何回くらい必要ですか
- 症状によって異なります。1回で変化を感じる方もいますが、テニス肘やゴルフ肘などは2〜3回以上の治療が必要になることがあります。毎回、効果や経過を確認しながら、続けるかどうかをご相談いただけます。
- なぜ首の治療は1日に片側だけなのですか
- 首の太い血管のまわりを治療するため、両側を同じ日に行うと、まれに起こる合併症が重なった場合の危険が大きくなります。安全を優先し、片側ずつ行っています。
- 治療は痛いですか
- 注入時に痛みを感じることがあります。当院では、基本は重炭酸リンゲル液を用いながら、必要に応じて生理食塩水や局所麻酔薬などを使い分け、注入時の負担をできるだけ少なくするよう努めています。「痛くてつらい」と感じた時点でお伝えください。そこで中止すれば、あとから出る筋肉痛のようなだるさもほとんど起こりません。
- 予約時に費用を教えてもらえますか
- ご予約の時点では治療部位・姿勢の数が確定していないため、「1か所5,000円〜、複数か所の場合は診察後にお伝えします」とご案内しています。診察後、治療前に必ず金額をお伝えします。
この治療で対応できない病態について
すべての痛みがfascia(膜)の異常で説明できるわけではありません。
痛みやしびれの原因には、腫瘍・感染・神経そのものの障害・内臓の病気・こころの病気が隠れていることがあります。当院ではまず診察と検査でこれらを確認し、必要な場合は適切な治療や専門施設をご案内します。
当院は、痛みの原因を一つに決めつけず、脳・脊椎・末梢神経をつながったひとつのしくみとして診ることを基本にしています。この治療が適さないと判断した場合は、他の治療や検査をご提案します。
「原因がはっきりしない」と言われた症状に対しても、もう一度ていねいに見直すことを大切にしています。
ご確認事項(必ずお読みください)
- 本治療は健康保険の適用外で、全額自己負担です(料金はすべて税込)。
- 使用する重炭酸リンゲル液および局所麻酔薬の局所注入は、承認された用法・用量ではありません。また「ハイドロリリース」という手技自体も、現時点では診療報酬上に収載された手技として定義されているものではありません。
- 適応外使用によって生じた副作用は、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
- 症状や所見により、健康保険で受けられる治療をご提案する場合があります。
- 効果には個人差があり、複数回の治療が必要な場合があります。
- 血液を固まりにくくするお薬を飲んでいる方、治療中にじっとしていることが難しい方は、施行できない部位があります。
ご予約・お問い合わせ
やまもと あたま・こし・痛みのクリニックは、脳・脊椎・末梢神経を一つのつながったシステムとして総合的に評価・診療するクリニックです。
ハイドロリリースは自費診療のため、事前のご予約をお願いしています。気になる症状がある方は、まずは診察でご相談ください。